失語

市井に生まれ、そだち、生活し、老いて死ぬまで

映画録『mid90s』

なんでずっと梅雨みたいな天気なの…?
5月って新緑の気持ちいい季節のはずなんだけど。
暑いんだか寒いんだかカラッとしてんだかジメっとしてんだかハッキリせえ。

 

さてさて、『mid90s』見た。

スケートものって、わたしくらいの世代はどうしても『KIDS』を念頭に見てしまうという悲しき習性がある。あまりにセンセーショナルで、オシャレで。

“自分もティーンのときに見た”ことも相まって初見の衝撃を越すことはないと思う。

ただ、スケートボードティーンという共通点はあれど、それとはまったく別の、胸がヒリヒリする物語だった。

わたしは男じゃないし、年上の兄弟もいない。
男と女ではヒエラルキーの種類や、成り立ち、影響力も違うと思う。
異常に“LOCALS ONLY”感を出すこともないし、仲間内で激しく喧嘩することもない。
ティーンならではの“悪いことに憧れる感”も、なくはなかったけどここまで飛んだことはない。

スケートボードに乗る乗らないっていう前提以前に男の子の物語なんだろう。
登場する“女”は母親か、性的対象のみで人間として書かれる部分はあまりに少なかったように思う。
いい悪いは別として一つの事実でもあるんだろうな、と。

一歩間違えばすべてがおじゃんになるようなことにも突っ込んでいくしかない少年の狂気と言うか、苦しみと言うか。
キツくもいい作品でした。

 

それにしても主演のサニー君、同じA24の『聖なる鹿殺し』ではまじの大御所と共演&とんでもない脚本を演じきってるし、

mid90sで笑顔が見れて本当に良かった。
この作品大好きだけどつらすぎる。

 

サニー君、このときから美しいけどマジもんのイケメンになってます。