失語

市井に生まれ、そだち、生活し、老いて死ぬまで

映画録『LAMB』

ずっと楽しみにいていたA24『LAMB』観ました。

羊から産まれたのは、羊ではない“何か”——山間に住む羊飼いの夫婦イングヴァルとマリア。ある日、二人が羊の出産に立ち会うと、羊ではない何かが産まれてくる。子供を亡くしていた二人は、"アダ"と名付けその存在を育てることにする。奇跡がもたらした"アダ"との家族生活は大きな幸せをもたらすのだが、やがて彼らを破滅へと導いていく—。

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まあ、なんつーか名前からしキリスト教臭がプンプンの作品だったわけですが。

 

これは、変に深読みせず(考察読みましたけど)素直に見ればいいんじゃないかなってのが率直な感想。

とにかく寒そうでほの暗いアイスランドの風景の中、日々淡々と過ごす夫婦に訪れた奇跡(アダちゃん)。
その平穏かつ不気味な日常に介入してくる夫の弟。

一貫してあまりに静かすぎるほど静かなんだけど、狂気は途切れなく続いている感じ。

 

ややもするとギャグ…?ってシーンもあるし、アダちゃん普通に可愛いし、これはもう捉え方次第で難解ともホームコメディとも取れるのでは?と思った。

アリ・アスター的展開を求めていたらだいぶ刺激は薄いし消化不良で退屈な作品だと思うけど、やり切ったところにこれの良さがあるんじゃないかな。

 

子供を亡くした夫婦の喪失を癒す~なんちゃらかんちゃらみたいな部分は正直あまり根幹には関係なかったような気がする。

とにかく、人間のエゴイスティックな部分を強調したかったんじゃないかな、というのがわたしの感想。

 

つまらない…と思う人が大半なような気がするけど、わたしは見て良かったと思う。