『さがす』
Amazon Primeに来てたんで早速観ました。
「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」
大阪の下町。そんな不穏な言葉を残して、父は姿を消す。彼のことをさがす中学生の娘。2人の日常に忍び寄る連続殺人犯。それぞれが辿る道は、やがて合流することになるのだが……この行く末を先読みすることは、決してできない。観客の予想を“裏切り続ける”物語なのだ。「岬の兄妹」から3年――異才・片山慎三監督が世に放つ「さがす」は“唯一無二の衝撃作”というキャッチコピーに相応しいものとなった。
さがす インタビュー: 佐藤二朗「“あの時”の片山だったのか……」 片山慎三監督と創り上げた唯一無二の衝撃作 - 映画.com
いやあ、すごかった。
わたしは、傑作だと思う。
事件描写自体は色々な凶悪犯罪のマッシュアップって感じ。しかし役者勢の演技が本当に見もので、特に娘役の伊東蒼さんがすごかった。あまりに自然で。
監督は、『岬の兄妹』の片山慎三。
このときは、障がいとか、格差とか、あまり見たくないようなものに面と向かっていく監督なんだなという印象だったけど、今回の『さがす』ではまた違った印象を持った。
悲劇の中にもユーモアはあるし、というか、
悲しみの中の笑い、苦しみの中の幸福が人間を人間足らしめているんだな、と思った。
正義か悪か、愛か憎悪か、0か100かでは到底カテゴライズできないような感情や行動、生き様。
作中とても『パラサイト』風味を感じだけど、それもそのはず。ポン・ジュノ監督の助監督を務めてたこともあるという片山監督。
いたるところにその空気が漂ってた。
人はみなそれぞれに何かを抱えて、どうにかこうにか生き抜いている。
そういう作品だったと思う。
ぜひ。