「映画鑑賞が趣味です」って言えるほどすごい本数見てるわけじゃないし、好きなジャンルにかなり偏りがあるけど、映画は大好きです。
影響を受けた映画は数えきれないほどある。
これを書いたので、韓国映画について話そうかな。
わたしが韓国映画に感銘を受けたのは大学生のとき。当時付き合ってた彼が、暇があれば気になる映画を3本でも4本でも一気に見るタイプで、そのとき借りた中の1本に『オールド・ボーイ』があった。
先日も書いたけど当時はまだ韓国カルチャーがそこまで市民権を得てるとも言い難く、自分でも“韓国映画か…”みたいな気持ちで見始めたのを覚えてる。
ところがどっこい。始まったらもう夢中。
衝撃的なストーリーと相反する軽快なテンポ、何とも言えない言葉の響きに美しい音楽、繊細なカラー展開。
パク・チャヌク監督、復讐三部作の2作目。
グロテスクな描写や暴力性は“韓国ノワール”と呼ぶにふさわしい作品だし、実際かなり過激だと思う。そういった意味で、まず、当時見てた邦画とは全然違うなと思った(比べて下げる話ではなく、内容の違いの話)。
そして、それ以上に、「ここまで高い精神性を描いている…だと…?」となったのを覚えてる。
これで一気に火がついて、この作品がカンヌを獲ったり日本の漫画が原作なのも知ったし、キャストや監督を調べまくって、他の作品もたくさん見るようになった。
見た人はわかると思うが、
決して気持ちのいい話ではないし、三部作の他作品に比べると“復讐”に対するスタンスが少し違って、複雑だと思う。生理的に無理、となる人がいるのも理解できる。
ただ、生理的に無理だからと言って拒絶して終わっていい作品だとも思わない。
『オールド・ボーイ』の悪役を演じるユ・ジテ - 「復讐映画の巨匠、パク・チャヌク その知られざる素顔<前編>」のアルバム - T JAPAN
主演のチェ・ミンシクは韓国を背負って立つ名優だし、女優のカン・ヘジョンはエピカイのTABLOの奥さんてかなり後に気付いて驚愕したし、
それよりなにより、この作品はやはり、ユ・ジテでしょう。
悲しき復讐者よ。
ともあれ、人間にとって復讐というのは一体なんなのか、すべきかせざるべきか。
一度は見てもよろしいかと思います。
わたしは最近、劇場公開が決まったその日にチケット取りました。まさか約20年のときを経てスクリーンで観られるとは。最高。
他にもたくさんおすすめがあるけど、今日はここまで。
あ、与太話。
いまだにこういう中韓系の作品を勧めると謎に難色を示す人がいる。
見て批判するなら問題ないが、言葉や音楽や文化、パッと見のイメージに拒否反応を起こし見すらしない。“教養”ってのは、まずそこまで行く土壌にも必要な教養があるんだな、と感じる。
過去の、そして今の自分への戒めでもある。