「スクリーンで王家衛の作品を観たい。」
そう願い続けてきました。
ついに叶うときが。
新宿が良かったものの、行ける時間は満席!素晴らしい。
背に腹は代えられないので、普段は苦手な池袋にあるグランドシネマサンシャイン 池袋まで行ってきました。
はじめて行ったんだけど、すごいでかい&広くてびっくり。
わたしが観たのは『恋する惑星』。
DVDや配信では何度観たかしれない。
刑事223号は、別れた恋人が好きだったパイナップルの缶詰を買い続けていた。だが、彼女を忘れるため、バーの片隅で出会った金髪の女性に声をかけて一夜を過ごすことになる。
その頃、刑事223号もよく立ち寄る小食店に新しい店員が入ってくる。新入りのフェイは、夜食を買いに来た警官663号に恋心を抱き、偶然手に入れた彼の家の鍵で部屋に忍び込み……。
なんだろうな。
みんなが好きだろうなとも思わないし、??ってところもたくさんある。
それでも、この映画が持つ熱量のすごさを改めて感じた。
わたしは心の底から九龍城が好きで、返還寸前の香港そのものに並々ならぬ憧れを抱いている。その街並みを見せてもらえるだけでも感涙ものだよ。
原題は『重慶森林』。重慶マンションを舞台に描かれる二つの恋の物語。
でも“恋愛もの”ではないよな、確実に。
出てくる人みんなとち狂ってる(ミッドナイト・エクスプレスの店主だけはまともか?)。
それなのに、色に、音に、表情に、何もかもに引き込まれてしまう。
でかい画面で観られて本当に良かった。
昔はトニー・レオンの色気にとにかくあてられてたが、年取ったせいなのか?
金城武の子犬のような奔放さがそれはもう魅力的で魅力的で。あの年頃にしかない刹那的ななにか。
顔やスタイルの良さは大前提として、あの桃の薄皮のような肌やコロコロ変わる表情、悪びれもなく甘える仕草、たまに出る日本語……死。
でも爽快な死です。
みんなフェイ・ウォン大好きだけど(ファッションが90年代!って感じで素敵よね)わたしはブリジット・リンが格好良くて好きです。マノロ履いてるとこも好き。
まあ、全員最高なんだが。
これからも宝物であり続ける作品だな。
ノルウェイの森も読み返そう。