失語

市井に生まれ、そだち、生活し、老いて死ぬまで

本を読むということ

なぜ勉強にこだわるのか - 失語

稀に、「子供に本を読ませたいが、何かおすすめはあるか?」と聞かれることがある。
とてもくだらない質問だと思う。

わたしは、100%本は読んだほうがいいと思ってるし、“全く読まない人”との会話の広がりは、ある一定の域を出ないと思ってる。

だけど、誰かに読むことを半ば強制された読書体験など、愚の骨頂だとも思う(読まねばならぬときを除いて)。

なので、「本屋でも図書館でも、一緒に行って選ばせてあげるのがいいんじゃないですか?」と答えるようにしている。
もしそこで、「そんな本はダメだ」とか「こっちにしなさい」などと宣う親だったら、本当に心から同情する。まさに毒親

 

“読みたくもない本を読む”という経験は、普通に教育を受けていれば当たり前にある。そこでまさかのいい出会いがあることもあれば、思った通りつまらないことだってある。

だから、それ以外の場所では“読みたいもの”を読むべきだろう。
そこには高尚もクソもなく、ただ、思いのままに選べばいい。

わたしも、格好つけて『神曲』や『薔薇の名前』を借りて、冒頭だけ読んで辞めた、みたいな経験死ぬほどある。
どうにかこうにか頑張って読み切ったときでも、疲れ果てた…って感想しか出ないときだって数えきれない。でも別にそれでいいんだと思う。

そして謎なのが、自分が大して読まないくせに「子供は読む子になって欲しくて…」とかいう人。
親が読まないのに子供が読むわけなかろう。読む子はもう勝手に読んでるよ、という。本当に不思議な精神構造。

 

なんか怒ってる感じになったけども、おすすめとしては、たくさん本を買って家に適当に置いておくのがいいと思います。興味があれば読むし、本なんて何冊あったっていいわけですから。

 

ついでにわたしが子供の頃から大好きな本。

これはアニメもあってそれも良い。
わたしはブリューゲルの絵が大好きなんだけど、なんとなく共通するものを感じるんだよな。

最近バズっていたこの作者と同じだが、クリスマスの日以外のサンタさんがいかに自由気ままに暮らしてるかっていう楽しい話なのでぜひ。

 

名前が同じだから親が買ってくれたんだろうな。わたしが持ってるのは、白ベースでモモコが舞台裏でメイクをしている表紙だった。

ドラマティックな展開は起こらず、モモコが毎日おいしいご飯を食べたり、一生懸命練習したり、憧れの先輩に思いを馳せたり…。

大きな衝撃はなくとも、大好きで大好きでたまらない本というのはあるんだな、という宝物みたいな本。ふんわりした絵もかわいい。

 

この中では結構高めな本。
装丁からして最高でしょ。

タイトル通り、魔女になる方法が書いてあるんだけど、魔女にも色々いて、その生活をのぞき見できる感じがワクワクしてたまらない。
こう見ると、人の生活見る系の本好きすぎじゃない?悪趣味。

変なクッキーのレシピとか載ってて、人間用の材料が書いてあるのもオツ。

 

安野モヨコさんがペンネームを決める際に憧れの安野さんから取った、と言っていた。

安野光雅さんは、画家としても作家としても素晴らしい方だと思う。家には彼の著書がたくさんあって、そのどれもが大好きだった。

かわいいタッチなのに、どこか不気味な、不穏な空気漂う絵も、子供心になんだかゾワゾワしたのを覚えてる。

人に上から物言うために本を読もうなんざ、無粋ですよ。